感動体験が生まれるのには理由があった
どんな本なのかざっくり説明します
本書では、スターバックス独自の人材マネジメント方法や現場の働き方、またスターバックスがどのようなミッションを掲げブランド価値を維持そして向上させているかが説明されています。
スターバックスがなにを大切にしていてここまで世界的な企業に成長したのか、コーヒーを売るだけではなく、どんな価値を生み出しサービスを提供しているのかそんな内容をもとにわかりやすく書かれているので、1つ1つの内容が考え深く納得のできるお話しがたくさん詰め込まれています。
自分の会社の人や、部下や後輩の育て方で悩んでいるビジネスパーソンはもちろんのこと、これから社会に出る学生の方にも、自分の頭で考えて働く働き方の目指している方などにとてもおすすめな一冊となっています。
お客様に仕事を通じて感動体験をたくさん与えられる仕組みやスターバックス独自の実践方法など実例がいくつか紹介されているため、すぐに自分の仕事場で実践できることもあるかと思います。ご興味のある方はぜひ、読んでみてはいかがでしょうか?
この本をえらんだ理由
僕自身、学生時代からよくスターバックスを利用しています。当時は時間さえあればスターバックスに立ち寄り、友人とお話をしたりデザインの学習場所としてもよく利用していました。
多い時では、週3回ペースで通っていた時期もあり、気がつけばスターバックスでの時間が自分にとっては必要不可欠になっていたかもしれません、、。いわゆる、ハマっていたということになります!
当時から、コーヒーだけではなく居心地の良さもスターバックスのサービス価値ということは客でありながら認識はしていました。ですが、具体的になにがどうなってスターバックスの空間が好きになったのかは不明のままなんとなくの理解で足を運んでいました。
昔からこのテーマについては気になってはいたので、今回この本を読んで理由を知りたい思い読むことにしました。
読んで見てなるほど!だから、あの時僕はストレスなくコーヒーを楽しむことができたのかとしっかり理解することができ、今はとてもスッキリした気持ちでいます。
そんな感動体験をさせてくれるスターバックスの正体について3つの理由についてまとめてみました。
なぜスタバに行きたくなるのか?
感動体験の正体その1:ホスピタリティを大切にする
ホスピタリティとは?
スターバックスでは「ホスピタリティ」を重視しサービスを提供しています。
ホスピタリティとは一般的に人と人、人とモノ、人と社会、人と自然などの関わりにおいて具現化されるものと略されています。スターバックスでは「心のこもったもてなし」「歓待」という意味で解釈されています。
ちょっとした心遣いでお客様の心を掴む
スターバックスを利用したことがある方はコーヒーカップにメッセージ書かれてあったり、お客様とスタッフが接客中に笑顔で会話をしているところを見かけたことがあると思います。
スターバックスの基本理念には「人々の日常に潤いを与える」というものがあり、スタッフは常にお客さまに気を配りホスピタリティを実現させるために進んでお客様との交流をとるように行動しています。
スタッフは接客中、お客様がどこから立ち寄っているかや道中の天気はどうだったかなどどんな思いで来店されたかを察することでお客様に対して気の利いた言葉や嬉しくなるような心遣いをすることができます。
だから、スターバックスに立ち寄った際にホッとするような出来事があったりコップに書かれたメッセージで嬉しい気持ちになれたりと心が温かくなる体験が生まれやすくなります。
感動体験の正体その2:ミッションを理解し体現する
スターバックスのミッション
スターバックスのミッションでは以下の6つのことについて述べています。
- Our Coffee
- Our Partners
- Our Customers
- Our Stores
- Our Neighborhood
- Our Shareholders
スターバックスのサービスの本質はコーヒーを提供しながら人を喜ばせるお仕事をすることです。それが、スターバックスのミッションに凝縮されています。
ミッションは全部で6つありますがそのうちコーヒーについて触れているのは1つだけなのです。それはつまり、スターバックスの目的はコーヒーを販売するだけでないことを意味しています。
スターバックスの研修制度
スターバックスでは、学生アルバイトでもアルバイトでなくともの研修期間は80時間と決められています。約2ヶ月に及ぶ研修を受け、理念や価値観を徹底的に理解していきます。
そのため、研修ではコーヒーの淹れ方を教わる前に、スターバックスのミッションや歴史を学びます。
店舗の利益を上げるためなら、1日でも早くすスキルを習得し現場に出て働いてもらいたいと思うかもしれません。
ですが、ミッションを理解していないままコーヒーを提供してもお客様に感動体験を与えらません。ミッションに基づき1つ1つ仕事をしないと、単なる流れ作業になってしまいます。
先程も述べたように基本理念は「人々の日常に潤いを与える」ことです。おいしいコーヒーを提供するのは大前提ですが、それは手段でありお客様に感動してもらうことが目的であるため最初にミッションを理解してもらうことがとても大切になると考えているのです。
スタバらしさが実現する
常にミッションを頭いれてそれに伴った行動をすることはとても難しいことです。そこでスターバックスでは入社した際に。「グリーンエプロンブック」という手帳のような小冊子が渡されます。
そこにはサービスのあり方が書かれてあり、自分の位置や期待されていることをエプロンのポッケに入れていることでいつでも確認することができます。
ミッションや目的、存在理由など大切なことが手元にあることで気持ちの切り替えができ初心に帰ることができます。また、内容が常に頭の中にあることで会話の中で書かれている言葉を発言し組織としてもよい役割となっているのです。
ミッションは掲げているだけでは意味がありません。スタッフ1人1人がそれに基づいて行動できるようにならないといけません。日常のの仕事で体現できるレベルになるには、「グリーンエプロンブック」を常に持ち歩き、繰り返し考え、行動することが大切です。
そこまで徹底しているから、「スタバらしさ」を実現できているのだと思います。
感動体験の正体その3:期待以上の接客を目指す
後味の良いコーヒーを淹れよう
スターバックスではサードプレスというコンセプトが重要だと考えています。
一般的にファーストプレスが自宅、セカンドプレスが学校や仕事場、そして第3の場所がサードプレスとされています。
例えコーヒー一杯で長時間滞在しお店が混み合ってきたとしてもスタッフが退店を促すことはありません。1日中店内にいたとしてもお客様がそれで幸せに慣れるのであればスターバックスはミッションを果たしたことになります。
ビジネスでは効率性が大切です。それだけを考えれば自動販売機やコンビニの方が圧倒的に優秀だと言えます。ですが、スターバックスは合理的であればいいということではありません。
お店の回転率が悪くなったとしても、お客様の居心地を第1に考えそれを崩さないところがスターバックスの良さだと思います。
マニュアルに依存してはいけない
スターバックスにはマニュアルがありません。自分の頭で考えてお客様にと向き合ってこそ、感動を与えられるという考えがあります。
マニュアルは教育を仕組み化するうえではとても便利なため、本当はマニュアルがあった方が断然楽になるでしょう。
マニュアルがない状態での接客は新人はもちろんのこと、ベテランスタッフにとっても難しいことだと思います。マニュアルがなければ統率がとれなくなったり、お店の回転率が悪くなるなどのリスクもたくさんあります。
ですが、サービスは相手の期待値を越えなければ感動を与えられません。スターバックスはなぜこのような時代にわざわざ人を介して売っているのか?お客様にお店に来店してもらい、スタッフの手でコーヒーを販売しているのか?
その理由を考えれば、マニュアルに頼らない接客をする意味を理解することができ、心のこもったサービスを提供することができるのではないかと思います。
さいごに一言
この本を読んだことで、スターバックスならではの居心地の良さをしっかりと理解することができました。接客でのお客様に対する姿勢や思いは見習うところがたくさんあり、仕事をするうえで自分の中でパッションを持ち続けながら働くことの意味に気付かされました。
サービスを提供するということを生業にしている僕もお客様の期待を超えるようなお仕事ができるよう自分の頭で考え実践していきたいと考えることができました。これからのもスターバックスを利用することがあると思うので、自分の目で見て他のいいところも見つけていけたらと思いました。